業平山南蔵院

在原業平ゆかりのお寺、業平山南蔵院

業平山南蔵院は、天台宗の寺院で、比叡山延暦寺を本山としています。
南蔵院という名前のお寺は東京都内にもいくつかありますが、こちらは葛飾区に位置しています。

業平山南蔵院に関する歴史をひもといてみると、平安時代にまでさかのぼることが分かります。
業平山とも言うように、この時代に生きた歌人、在原業平と関わりがあるのです。

在原業平がこの地にいたとき、隅田川を下っていた舟が転覆してしまって、何人もの人が死んでしまいました。
人々の悲しみを見た在原業平は、仏像を自ら作るとともに、法華経の写しを作って、塚に埋め、亡くなった人たちの霊を慰めたのです。
この塚が、業平山南蔵院の礎となっていて、現在にまで続いているのです。

そのため、このお寺は隅田川と大変深い関係を持っています。
境内の造りもそれを表していて、敷かれている砂利は隅田川を模していて、そこにかかる参道は業平橋を指しています。
このように境内のデザインが隅田川を表しているということを知ると、ここを見る時、なんとなく感慨深い気持ちになりますし、よくもこんなアイディアを出したな、と感心します。

聖徳太子にもゆかりのあるお寺

業平山南蔵院の境内には、聖徳太子堂なるものがあります。
なぜここに聖徳太子が関係するのだ、と疑問に思って調べてみると、このお寺の前には、聖徳寺というお寺があって、聖徳太子が奉られていたのです。

そのため、今でも聖徳太子を奉り、日本の文化を形作った人物、そして国土を保護している神様として、崇敬の念を集めています。
つまやかな八角堂の造りをしているこの聖徳太子堂も、このお寺を参詣に来た際には見て置きましょう。

お寺にはいろいろな歴史が関わっていますので、事前に歴史知識や土地の情報を得てから行くと、よりお寺巡りが楽しくなりますね。
そして、その情報通りにいろいろな建物や収蔵品があるのを見ると、歴史を通じて人々がそれぞれのお寺をとても大事にしてきたというのを感じることができて、穏やかな気持ちになれます。

一服するのにも良いお寺

業平山南蔵院の境内には、一服できるお茶屋があります。
境内のきれいな景色や参詣に来る人々を眺めながら、薄茶をいただくと、なんだか不思議と落ち着いてのんびりできます。
ここには、お寺のグッズや縁起物、お土産品などが売られていますので、ちょっとこうした品々を眺めていくのも楽しいですね。

また、このお寺で気に入ってるのは、水琴窟があることです。
これは、手水の造りを工夫して、地面に瓶を埋め込み、水が落ちると、その瓶に反響して独特の高い音が出るものです。
古代の人の創意工夫に驚きながら、水の心地よい音を聞くと、ほっとしますので、ここに来た際にはぜひ試してみることをお勧めします。