神階とはなにか

神様にもランクがある

神様に対してのランク付けというと恐れ多い気がしますが、古代より近世にかけ、朝廷でそのランクが「神位」また「神階」として定められていました。
それぞれの神様たちに対し、授位、神階されていて、神祇官、また諸国から「某という神社の某という神様に対し、某という神階をお授けいただきたい」と申請を受け、公卿の会議に当る陣定により可否あれ、天皇の奏聞をへて正式決定されていたものです。

お稲荷様をお祭りしている祠などをよく見ると、その参道やお社に「正一位稲荷大明神」などとされた幟(のぼり)を見ることがあります。
また家庭用の神棚に飾る幟なども神具店で販売されています。
この幟に記されている中の「正一位」という部分が神階を表しています。

神階の位は3種類

神階については、文位と呼ばれる位階、武位と呼ばれる勲位、品位の三つがあります。
この位については、律令制下のもと、人に対して授与される官人の地位を示す等級だったのですが、遷都などの際に、天変地異や疫病蔓延など、臨時について祈願する際、霊験を施されている神様に顕彰するためにも、使われました。

初めて位階を奉られた神様については、日本書紀で記され、「大和国高市御県坐鴨事代主神」「村屋坐弥富都比売神」「牟狭坐神」の三柱と呼ばれる神様です。
これ以降、多くの神様が位階を受位されています。
位階はもっとも一般的なもので、お稲荷様の「正一位」も、代表的な位階の一つとされています。

勲位と品位

勲位は武勲をたてた人に対し与えられるもので、神様に対して奉られたのは765年、藤原仲麻呂、藤原恵美押勝の乱の際、霊験を奢らされたという都久夫須麻神(つくぶすまのかみ)に対し、勲八等が奉られたことが始まりといわれています。
しかし神に対し勲位が授位されることは10世紀半ば以降なくなっています。

品位は親王、内親王への位であり、神様に対し授位されることは少ない事です。
品位については一品を宇佐美八幡、八幡大神、二品は同比売大神に奉られた事が知られています。

位階についてもまた勲位、品位についても天皇が臣下に対し賜るものであり、授与される者よりも授与する方が上位となるはずです。
という事は、通常、人間が神様に対して位を定めるという事は非常に恐れ多いことと感じます。
しかし古来に生きたご先祖さまは、このことについて奇妙であるとか恐れ多いという事を思うことなく、神様について顕彰するため、神階というくらいを奉ってきたのです。

人に対することと、神様に対することは直接的な関係はなく、同じ品位でも人が神様と同等という考えもありません。
非常に不可思議な事と思えるのですが、こうして神様に対する気持ちを明らかにし、当時の方々は深い信仰心をもってこうした神階を奉っていたのです。